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音楽に備わった力や音楽活動を行うことによる人との交流を通して、利用者の心身の健康をサポートする職業です。歌を歌ったりリズムに合わせて身体を動かしたり、楽器を演奏するなどで、表現力を養ったり心身のバランスを整えたりできるリハビリテーション法に含まれます。
音楽療法士の業務内容には、受動的なアプローチ方法と能動的なアプローチ方法の2種類があります。どちらも特徴が異なるため、対象者やシーンによって使い分けるのがセオリーです。
受動的なアプローチ方法は、音楽鑑賞によって心身のバランスを整えます。クラシックやオペラなどさまざまなジャンルの音楽に触れるのはもちろん、利用者個人の思い出の曲を聴くなども、心身のバランスを整えるのに効果的です。
リハビリテーションを受ける利用者が歌ったり楽器を演奏したり、リズムに合わせて身体を動かしたりするのが、音楽療法における能動的なアプローチ方法です。声を出したり身体を動かすのは心と身体の健康を維持・向上に役立つうえ、ストレス発散にもつながります。
音楽療法士は民間資格であり、さまざまな団体が独自の認定試験を用意しています。中でも有名なのは「日本音楽療法学会」が認定する資格です。日本音楽療法学会における受験資格や試験の難易度、カリキュラム受講料の目安などをまとめました。
受験資格を取得するには、まず資格試験受験認定校の認定校コースを受講するか、学会が主催する必修講習会コースへ入学しなければなりません。認定校コースの場合は専門学校や大学などで必要単位を取得することで音楽療法士資格試験の受験資格を得られます。
必修講習会コースは、臨床経験を積んだうえで必修講習会に参加するのが受験資格取得の条件です。講座を修了するだけでなくある程度の臨床経験も必要となります。
音楽療法士になるための認定試験では、筆記試験のほかに面接試験も実施されます。どちらもこれまでに学んできた内容の確認として位置づけられているので、知識が身に付いていれば難易度はそこまで高くありません。
ただし、試験自体の難易度は高くない反面、それまでの過程で受ける必修講習は専門性が高く、知識と技術力を高めるのに苦労する人もいるかもしれません。
日本音楽療法学会が提供する認定校コースを選択する場合、認定校への入学金や授業料などがかかります。カリキュラムは音楽療法科目をメインに、音楽レクリエーションの実践法などとなっているでしょう。必修講習会コースは、1コマあたり4,000円の受講料がかかります。
利用者の心身の健康維持・向上を目的として、さまざまな施設で音楽療法士が活躍しています。心身の活性化はもちろん、利用者間やスタッフ間におけるコミュニケーションの促進にも役立つでしょう。
また、音楽療法は長期記憶への刺激作用や情緒の安定効果なども期待されており、認知症ケアとしても採用されています。
音楽療法を活用した療育プログラムに力を入れている児童発達支援施設でも、音楽療法士は活躍できます。歌唱やダンスを組み合わせたプログラムだけでなく、近年注目を集めているリトミックを行う施設も多いようです。
音楽療法士は、音楽を通して子どもの情緒の安定や心と身体の発達、コミュニケーション能力の促進などをサポートします。
音楽療法が必要な人は、心身に何らかのトラブルを抱えているケースがほとんどです。音楽療法士はそうした利用者の不安や悩みに向き合い、悲しみや苦しみを分かち合える能力を備えていなければなりません。いくら高いスキルや専門知識を有していたとしても、音楽療法はコミュニケーションの中で行われます。「利用者を元気にしたい」という思いの強い人が求められます。
どのような音楽で元気になって、どのようなリズムが心地良いのかは、人によって異なります。そのため音楽療法士には「この人はどんな音楽が好きなのだろう」と相性の良い音楽を見つけられる好奇心が欠かせません。
また、音楽の力を実際に感じたことがある人も、音楽療法士に向いています。音楽によって心や身体の健康を維持できた人や「音楽に救われた」経験を持つ人は、利用者の心身の悩みに寄り添える能力を有しているでしょう。