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管理栄養士

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管理栄養士と栄養士との違い

管理栄養士は厚生労働大臣から認定される専門職であり、「食や栄養に関する領域のスペシャリスト」として、人々の健康管理や健全な食生活の実現サポートするための国家資格です。

管理栄養士と栄養士の違い

管理栄養士と似た専門資格として「栄養士」という資格があります。

管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格である一方、栄養士は都道府県知事の免許を受けた専門資格であり、主として健康を維持できている人のために栄養指導や給食運営といった内容がメインの仕事です。

介護や医療現場における管理栄養士の主な仕事内容

個人のライフステージに合った栄養指導と食事管理

管理栄養士は主に病気やケガなど、普段とは違う健康管理が必要な場面において、栄養指導を行う業務です。

健康診断後に設定される食事指導や特定保健指導を担当するのも管理栄養士で、個人の生活環境や食習慣などを網羅した上での指導を行います。

様々な事情を抱えた人への食育指導

近年、食事を通じて心身の健全な成長を目指す「食育」の重要性が認識されており、日本国内でも2005年に「食育基本法(2015年改正)」が施行され、保育の現場や介護の現場でも法律にもとづいた指針が制定されています。

食育は健康な子供の成長を考える上で重視されると同時に、アレルギー症状や先天的な障害など、様々な事情を抱えた子供の健全な養育を考えるためにも無視できないポイントです。そのため、管理栄養士は「食と栄養のスペシャリスト」として、体や心の健康を考えた食育方針を指導する立場にあると言えます。

参照元:農林水産省/食育基本法(平成十七年六月十七日法律第六十三号)(pdf)(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/kihonho_28.pdf)

特定施設等での給食の献立の考案

管理栄養士は特定給食施設等において、給食の献立の考案や、提供されている食事の内容に問題がないかどうかの管理業務などを担当します。

特定給食施設とは、健康増進法第20条第1項と健康増進法施行規則第5条が規定する施設であり、特定多数の人に対して1回100食以上、または1日250食以上の食事を継続的に提供するための施設です。

特定給食施設に該当する施設や事業所を運営するにあたって、健康増進法第21条第1項の規定により管理栄養士を設置することが設置者に義務づけられており、適切な給食を提供する上で管理栄養士は実務的にも法的にも不可欠な存在となっています。

参照元:東京都福祉保健局|管理栄養士の必置指定について(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kenko_zukuri/ei_syo/tokutei/kanri.html)

管理栄養士が活躍できる場所

管理栄養士は介護現場や医療現場の他にも、様々な場所で活躍できるスペシャリストであり、管理栄養士になることでキャリアアップやライフワークバランスの健全化を目指すことが可能です。

医療施設・介護施設

数多くの入院患者や入居者が暮らす医療施設・介護施設では、毎日多くの食事を施設利用者へ提供しなければならず、加えてメニュー考案者には医療や健康に関した専門知識も求められます。

研究機関・教育機関

国や地方自治体が運営する研究機関や教育機関、また民間の施設などに所属して、食と栄養の分野の発展に寄与することも管理栄養士の役目です。

企業によっては管理栄養士が新商品開発の要になっていることもあり、好待遇での就職を目指せる可能性もあるでしょう。

その他、保育施設や学校などで子どものための食事の管理指導する機会もあります。

スポーツ分野

アスリートのパフォーマンスを最大化する上で、食と栄養の管理は不可欠な要素であり、スポーツ施設や団体に所属する管理栄養士も少なくありません。

オリンピックや世界大会といった国際的なイベントで、調理センターやレストランで管理栄養士は活躍しています。

その他の民間企業・行政施設

企業の社員食堂で料理を作ったり、責任者として調理環境や使用食材をマネジメントしたりすることもあります。また行政施設に所属し、地域の人々の健康をサポートしたり、食と栄養に関する相談に乗ったりするのも重要な仕事です。

管理栄養士になるには

管理栄養士は国家資格であり、適正なルートで受験資格を得た後、管理栄養士国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受けることが必要です。

受験資格を得るルート

管理栄養士養成施設を卒業する

管理栄養士養成施設とは、管理栄養士養成課程のある大学や短期大学、専門学校などを指します。

高校卒業後、任意の管理栄養士養成施設へ入学し、所定の単位を取得して卒業(修業年限4年)することで、国家資格の受験資格を獲得します。

なお、管理栄養士として学ぶべき内容は多岐にわたっており、加えて実習が必要になっていることもあって、夜間学校や通信教育による受験資格の取得はできません。

2021年7月時点で、公益社団法人日本栄養士会が紹介している栄養士養成施設は149カ所が挙げられています。

参照元:公益社団法人日本栄養士会(https://www.eiyo.or.jp/school/index.php)

栄養士としての実務経験

栄養士養成課程のある教育機関を卒業し、栄養士としての資格を取得した人が、一定の実務経験を得ることで管理栄養士国家資格の受験資格を得られます。

実務経験の年数は栄養士養成施設での修業年数によって変動し、例えば4年間の修業を終えた人であれば実務経験1年以上、修業年数2年の人は実務経験3年以上が必要です。

管理栄養士に向いている人

継続して学ぶ意欲のある人

管理栄養士は、資格を取得した後も学ぶことの多い職業のため、学習意欲の高い人や好奇心旺盛な人ほど向いています。食事をする人が笑顔になる献立を作るには、単に栄養バランスだけに気を遣うのではなく、調理法や使用する食材、味付けや盛り付けといったさまざまな要素について学習しなければなりません。また、時代ごとに異なるトレンドについても、興味関心を持っている必要があります。

コミュニケーション能力の高い人

同業種のみならず他業種とも連携して業務を行う管理栄養士。接する機会の多い調理師はもちろん、病院勤務であれば医師や看護師などのスタッフ、教育施設なら教師、各施設に従事する人と連携してスムーズな業務を行う必要があります。

そのため、職業や立場の異なる人とも上手にコミュニケーションを図れる人ほど、管理栄養士に向いていると言えるでしょう。

健康意識の高い人

管理栄養士は、食事を通して健康をサポートする役割を持っています。患者さんだけでなく、アスリートに対して栄養指導を行うこともあるでしょう。近年では健康に気を配った生活を送る人も多く、身体状況や健康に対する意識が異なる人に対して栄養指導を実施する機会も増えています。すでに健康を意識している人にもプラスアルファのアドバイスができるよう、管理栄養士にもそれ以上の知識が求められます。

料理が好きな人

管理栄養士は料理を通して栄養サポートをする仕事のため、そもそも料理が嫌いな人はモチベーションが上がりません。逆に、料理が好きで日ごろからキッチンに立っている人、栄養だけでなく見た目にもこだわった料理を意識している人は、管理栄養士に向いています。なぜなら、栄養とおいしさの両方を満たすには、料理の味だけではなく盛り付けも大切な要素になるからです。

責任感が強い人

管理栄養士は施設に1人しか配置されないケースも多く、入職とともに責任者に抜擢されることもあります。責任者となった場合、衛生管理から安全対策やアレルギー管理対策まで、食事全般に関する責任を担います。

そのため、業務に関する責任感がある人、栄養指導をする役割を担う職業として自己管理ができる人は、管理栄養士に向いているでしょう。

化学や生物が得意な人

化学や生物といった分野は、管理栄養士の仕事と関わりが深いです。実際に、管理栄養士の資格勉強では、栄養学を習得するために化学を、栄養素が身体に作用する仕組みを習得するために生物を学びます。そのため、化学や生物が得意な人は栄養学に必要な知識を吸収しやすく、資格を取るための勉強も進めやすいです。

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