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集団で行われることの多いレクリエーションは、たくさんの人から注目を浴びると緊張してしまう人にとって苦痛を感じる時間かもしれません。特に介護士はレクリエーションをリードする役割を持っているので、向き不向きが顕著に表れます。
介護施設で行われるレクリエーションは、いかに利用者を飽きさせず楽しんでもらえるかが重要となります。とはいえ、利用者全員が社交的でコミュニケーション上手な性格とは限りません。中には、1人でゆっくりと過ごすのが好きな人もいるでしょう。
そのため、利用者全員を楽しませられないことに自信を喪失し、レクリエーションが苦手になってしまう介護士もいるようです。
人前でも緊張しない盛り上げ上手な人でも「題材探しに苦労するから」という理由でレクリエーションに苦手意識を持つことがあります。利用者の性格や身体機能の状態は利用者ごとに異なるため、レクリエーションの内容は慎重に考えなければなりません。しかし、多くの利用者が楽しめる内容を考えると種類が限られてしまい「毎回同じ内容になってしまう」「飽きられないか不安」などの苦手意識が芽生えてしまいます。
レクリエーションでは、折り紙やホワイトボードなどの道具を用意しなければなりません。もちろん道具を使用しない方法も存在します。しかしバリエーション豊富なレクリエーションにするためには、いつまでも道具を使わないわけにはいきません。
また、準備前には職員同士で打ち合わせを行うので、準備の大変さから苦手意識を持つ人もいるようです。
レクリエーションの理由としてまず挙げられるのが、利用者にコミュニケーションの場を提供するためです。心身の状態によっては外出が難しい場合があり「他者と交流する機会がほとんどない」という人もいます。そんな利用者が他者とのコミュニケーションの場として活用できるのがレクリエーションです。
利用者やスタッフと交流をしたり頭や身体を動かすのは、心と身体のバランスを整えるのに役立ちます。レクリエーションというと身体機能の回復を目的とするリハビリ的な意味合いに捉えられがちです。しかし実はコミュニケーションの楽しさやできることの増加による自信の獲得など、複数の精神面でのメリットがあるのがポイント。またリハビリよりも精神的負担が少なく、運動が苦手な人でも楽しめるのが特徴です。
レクリエーションを通した心身への刺激は、認知症の予防・改善効果が期待されています。特に頭を使うクイズや全身を使う屋外での散歩などは、認知症の予防に適しているようです。
レクリエーションには大勢の利用者が参加するため、職員一人で全員に気を配るのはほぼ不可能です。しかしあらかじめ職員間でアイデアを出し合い共有しておけば、他のスタッフが利用者のサポートをしてくれるため、身体的・精神的負担を軽減できます。
また、レクリエーションの内容を話し合うのは、1人では思いつかないようなアイデアを発見する機会にもなるのでおすすめです。
多忙な業務をこなす中、レクリエーションの内容を考えたり何を使用するかに思考を巡らせるのは、かなり骨の折れる作業です。日々の業務だけでなく事前準備もハードになると、レクリエーション当番が回ってくるのが嫌になります。レクリエーションへの苦手意識が高まってしまうでしょう。
そんな悪循環を回避するために、1人で抱え込まずスタッフ全員で準備を行うのがポイントです。レクリエーションに対するプレッシャーや心身の負担が軽減され、苦手意識を和らげられます。道具を使うレクリエーションを実施する際は、事前に声かけを行い、準備作業を分担すると良いでしょう。
レクリエーションを始める前に利用者への心配りも忘れてはいけません。お手洗いを済ませてから参加したい人、疲れやすいので開始ギリギリまで休んでいたい人、早めに移動を済ませて準備を手伝いたい人など、利用者によってレクリエーション前の希望はさまざまです。そのため、利用者の個性に沿って誘導するタイミングを工夫すれば、スムーズかつ満足度の高いレクリエーションを実現できます。
記憶力に自信がない人や環境の変化に敏感な人は、利用者に対してこまめな声掛けを行いましょう。上手く誘導できれば「あの人は気が利く」「レクリエーションも十分楽しめた」などと利用者に喜んでもらえるため、自信につながります。
レクリエーションの司会進行が苦手な人は、上手な職員の立ち回りを参考にすると良いでしょう。声の大きさやトーン、ジェスチャーや声掛けの方法など、細かい部分までチェック。「どのような進行をすると盛り上がるのか」に着目して、技術を見て盗みましょう。
盛り上がっているレクリエーションは、利用者が司会進行を気に入っているという証拠です。技術を取り入れてみると、自分が担当するレクリエーションの時も喜んでもらえるようになるでしょう。最初はぎこちないかもしれませんが、続けてくうちにスムーズかつ自分らしい司会進行ができるようになります。
拍手には、場を盛り上げるパワーがあります。特に初めて行うレクリエーションは、担当者も利用者もそわそわして受動的になりがちです。そんな時もスタッフが拍手を促すことで、利用者と一緒に盛り上がるポイントを作っていけるでしょう。
「どこで拍手をしてもらえば良いか分からない」という人は、ゲームに正解した時や運動で得点が入った時などを狙うのがおすすめです。
レクリエーションを始める前には、利用者に「なぜこのレクリエーションを行うのか」というはっきりとした目的を伝えるのが重要です。身体を動かすレクリエーションなのか、クイズや塗り絵といった文科系のレクリエーションなのかで、プレゼンの方法は変わります。あらかじめ分かりやすいプレゼン方法を考えておきましょう。
またチーム戦なのか個人戦なのかによって、場の盛り上げ方も異なります。企画内容に合わせて臨機応変な盛り上げができれば、成功体験が増えて苦手意識を克服できるかもしれません。
レクリエーションを始める前の説明や実施中は、利用者全員が内容を理解できるように、ゆっくりと落ち着いたペースではきはき話すのが重要です。特に難聴の人は高い声を聞き取るのが難しいため、声のトーンを下げて話すと聞き取りやすくなります。また、説明は簡潔に済ませる、ホワイトボードを使って視覚にも働きかけるなどの工夫を凝らすのもアリです。
レクリエーションが苦手なスタッフがいるように、利用者の中にも人前で話したり注目されるのが苦手な人もいます。もしもレクリエーションの参加に消極的な利用者がいても、無理強いするのは良くありません。逆に「どうしたらレクリエーションを楽しんでもらえるか」に焦点を当てて、レクリエーションを企画してみましょう。
介護施設におけるレクリエーションの目的は、頭や身体を動かすことによる心身の健康維持・向上です。そのため転倒でケガをしてしまっては、レクリエーションの目的を果たせません。このような事態を回避するため、利用者の安全を第一に考え、事故が発生しないように細心の注意を払いましょう。
身体を動かすレクリエーションには、ラジオ体操やお手玉、風船バレーなどが挙げられます。身体を使うレクリエーションは身体機能の維持・回復効果が期待できるため、積極的に取り入れていきたいものです。身体全体が温まるうえ、ルールの簡単なスポーツは観戦している人も十分楽しめます。
ただし、手足の痛みや身体のどこかに麻痺があるなど、身体が不自由な利用者はケガをしやすいので、スタッフが介助して安全性を高めましょう。
折り紙やぬり絵、おやつ作りといった手先を使うレクリエーションは、馴染みが深く、レクリエーションが苦手な利用者でも取り組みやすいのが特徴です。また、手先を使う企画はものづくりがメイン。利用者に作品を生み出す達成感を与えられるのもポイントです。ペンやのりなどの道具を使う作業は、脳の活性化や長期記憶のトレーニングにもつながります。
簡単なクイズやトランプ、オセロといった頭を使うレクリエーションは、身体が不自由な人でも親しみやすい点がメリットです。問題に正解した時の喜びや充足感は、思考をポジティブにすることに適しています。日常生活で使われにくい脳の分野を刺激できるような企画なら、認知症の予防や進行を緩やかにする効果が期待できるでしょう。
ストレスの緩和や身体機能の維持・回復などの効果が期待できます。企画例としては、カラオケや散歩、外食や園芸など。誰もが知っている童謡を歌ったり、思い入れのある曲を流したり、植物と触れ合ったりすることで、情緒を安定させる効果も期待できます。外の空気を吸える散歩は、気分転換だけではなく生活リズムを整えるのにも効果的です。
認知症に効果が期待できるレクリエーションには、屋外での散歩や回想法が挙げられます。屋外での散歩は普段と違う景色を見られる機会となり、脳に刺激を与えられる企画です。外で職員とコミュニケーションをとったり、近所の人にあいさつするだけでも認知症の予防や進行を遅らせる効果を期待できます。
回想法は、過去の出来事を振り返り、認知機能の改善や精神の安定を図る心理療法です。方法としては、利用者が幼い頃に使用していた道具を利用して、話を聞くというもの。利用者の地元の特産品や思い入れのある本を用意するのも効果的です。
レクリエーションも介護職に欠かせない業務なので、レクはどの施設でもあるでしょう。とはいえ、レク以外の仕事に専念できる施設もあります。どうしてもレクに苦手意識がある人はそのような施設を選ぶと良いでしょう。
大規模な施設やスタッフ数の多い施設、レクリエーション介護士が在籍する施設はレクリエーションを担当しなくても良いケースがあるので、気になる人はチェックしてみてください。
介護レクを頻繁に行なう施設は案外少なく、毎日の必須業務というよりも月に数回程度行うというケースが多くなっています。またもっと気軽な方法として、スタッフと利用者の1対1での散歩やDVDを使った体操、ぬり絵や折り紙をするなどを採用している施設も。これくらいライトな内容であれば、「レクも悪くないかも」と思う人もいるのではないでしょうか。
レクをやりたくない介護士は、レクを重視していない施設を選ぶのが精神的負担のかからない働き方でしょう。もちろん、レクに重きを置いていない施設であってもレクが全くないわけではありませんが、担当が回ってくる機会を減らすことは可能です。
またレクリエーションの担当を免れるのは難しいため、「どうやったらストレスを感じずに進行ができるか」にシフトチェンジするのも考え方の一つです。「利用者に喜んでもらえる時間づくり」を意識すれば、自分も楽しみながら司会進行ができるようになるかもしれません。
レクをやりたくない介護士におすすめの施設は、特別養護老人ホームと訪問介護の2種類です。特別養護老人ホームは要介護度の高い人が集まる施設で、日常生活において介護が必要な利用者の身体介助をメインに行います。そのため、余暇の提供では個別レクまたは施設イベントがメインになるでしょう。
また利用者の自宅で介護サービスを提供する訪問介護は、レクを行う必要がありません。施設とは働き方自体が異なるため「絶対にレクをしたくない」と考えている人に向いています。
レクリエーションが活発的に実施される施設は、デイサービスと有料老人ホームの2つです。特に有料老人ホームはレクを重視しているケースが多く、頻繁にレクの時間を設けています。ただし、どの程度重視しているかは施設によって異なります。面接時に確認しておくと良いでしょう。