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介護業界の将来や日本の未来を考えていくと、介護業界の抱えている問題が非常に多いことが分かります。ここでは、介護業界が抱えている様々な問題の一部について、具体的に解説しています。
内閣府が1992年の国民生活白書で「少子化」という言葉を使って以来、出生率の低下と医療技術の向上という理由もあって、日本社会は急速に少子高齢化が進んでおり、2007年には高齢化率が21%を超えて、厚生労働省の資料でも「超高齢社会」という表現が使われ始めました。さらに2016年10月には高齢化率が27.3%と、世界一の高齢社会になりました。(※1)
この結果、介護を必要とする人の数に対して、介護士など介護サービスを提供できる人の数が不足してしまい、介護を必要とする人が適切な介護を受けられないという、「介護難民」の問題が発生しています。
2025年には、終戦直後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれた「団塊の世代」が後期高齢者(75歳)に到達するため、高齢者人口が3,500万人に達して、医療業界や介護業界への負担が急増することも懸念されています。(※2)
介護難民として介護を受けられない高齢者に対して、一緒に暮らす家族がその介護を担うことが一般的になっていますが、高齢夫婦の場合、高齢者が高齢者を介護するという「老老介護」の問題が深刻化していることも重要です。
また、加齢に伴ってそれぞれの認知機能が低下してきた場合、いずれ認知症患者が認知症患者を介護するという「認認介護」が増加することも必然です。
厚労省の提言においても、認知症対策には早期発見・早期対応だけでなく、医療・介護サービスの連携が重要とされており、老老介護や認認介護は介護業界と切り離すことができません。(※3)
高齢夫婦では老老介護や認認介護の問題がありますが、配偶者に先立たれている高齢者や、熟年離婚によって独り身になった人やそもそも独身者では、高齢者の一人暮らしといった問題に直面するリスクが高まります。
実際、厚生労働省の政策レポートでは、高齢者の単独世帯は今後も増加していくと示唆されており、介護を必要とする人が一人で暮らさなければならないリスクが懸念されています。(※4)
少子化が進んで日本社会全体の労働人口が減少している上、介護業界は労働者の負担が大きいというイメージの広がりもあり、介護施設では介護士などの人材確保の難しさに直面しているという事実も重要です。
実際、就職難が続く時代とされていても、介護業界では有効求人倍率が高い水準がキープされており、介護人材の確保の難しさを物語っているといえるでしょう。(※5)しかし、介護人材の確保は緊急の課題であり、迅速な対策が求められています。
ヤングケアラーとは、家族の中に介護を必要とする者がおり、そのケアを18歳未満の若者や児童が負担しているという問題です。(※6)家族が互いに支え合うことは美しいですが、ヤングケアラーは若者が教育を受けるチャンスを制限したり、児童虐待につながっていたりと、社会全体で取り組むべき問題とされています。
介護業界における多種多様な問題を解決する上で、無視できないのがお金の問題です。
社会保障費の財源は主に消費税や所得税など税金が原資となっていますが、労働人口が減り働いて税金を納める人が減る一方、高齢者の増加などで社会保障費が増大しており、その負担は年間1兆円規模ともされています。そのため、社会保障費の財源をどのように確保していくかは、本質的に解決すべき事柄の1つと言えるでしょう。(※7,8)