介護の場で重要な役割を果たすのは人員だけではありません。自立した生活の困難な高齢者や障害者のために、介護の場では車椅子やマットレス、特殊寝台といった福祉器具は必要不可欠でしょう。このような福祉器具を利用する方が、適切な器具を選べるようにアドバイスしたり使い方を説明したりする職種が福祉用具専門相談員です。
福祉用具専門相談員には、さまざまな症状を抱えながら介護サービスを利用している方のために、ケアマネジャーと連携して利用者1人ひとりに最適な福祉器具を選定・提案。自立した生活を実践できるようにするという役目もあります。
福祉用具専門相談員の資格を取得する代表的なメリットを見てみましょう。
就職に有利になるというのが、福祉用具専門相談員の代表的なメリット。
介護保険の指定を受けている福祉用具貸与・販売事業所は、必ず常勤換算で2名以上の福祉用具専門相談員を配置することが義務付けられています。そのため、資格を取得していれば福祉用具貸与・販売事業所への就職が有利になるでしょう。
介護関連の資格にはたくさんの種類があり、研修を終えるだけで取得できるものもあれば、試験の難易度が非常に高いものもあります。
そのなかで、福祉用具専門相談員は研修を最後まで受講すれば資格を取得できるので、難易度は非常に低いと言えるでしょう。そのため資格が取りやすく、介護関連の経験がない人にもおすすめできる資格です。
ほかの福祉関連の資格と比べると、福祉用具専門相談員の資格取得のための費用は4~5万円。金銭的な部分でもハードルは低めなところが魅力です。
福祉用具専門相談員の資格を取得するには、厚生労働省が指定している講習を修了することが必要です。
※介護福祉士、義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士は、講習を受けなくても福祉用具相談員の要件を満たしているものとみなされます。
福祉用具専門相談員の資格の認定を行っているのは、厚生労働省の指定を受けた各都道府県の研修事業者。指定の研修を受講することで資格を取得可能です。細かいカリキュラム内容や時間配分は研修事業者によって異なるので、事前にチェックしておきましょう。
福祉用具専門相談員の資格取得のための費用は、前述の通りおよそ4~5万円。この数字は、介護関連の資格取得の費用の中ではかなり安いほうです。
福祉用具専門相談員の合格率は一般には公開されていませんが、それほど難易度が高い研修ではありません。
研修の最後には1時間の試験が行われますが、しっかり講習を受けていれば決して難しいものではないでしょう。試験で不合格でも補講・再試験があるので、再挑戦も可能です。